4(11月第二週)
この世界に杏子が来て、数日、経ったころだった。
飛ぶ練習で精いっぱいで、まだ、仕事の具体的な案件を受け持ったことはない。
デバイス、の使い方を教える。
杏子、デバイスに見入っている。
ハルは杏子ちゃんに「使者の仕事」を教える
(先輩後輩といった関係)
(ちなみに、ハルに使者の仕事を2年前に教えたのは曜子さんで、
今回は曜子さんは直接の指導役ではない)
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(下界の様子を見にいくことについて)
水晶のようなデバイスで、下界の様子を見ることはできるのだとハルは言う。
「ただ、解像度は荒いんだよな。たぶん技術的に「上」は細かくできるのだろうけれど、俺には権限的に許されてないっていう感じ。まだ「人間」だからかな。」
なので、様子を見にいきたい人やものことがら、があれば、俺にいってくれ、とハルは杏子に言う。
「俺が連れていくから。すまんな、君が空を飛ぶことや仕事、今の環境諸々に慣れるまで、しばらくはお守りをさせてくれ」
彼はそう言った。
杏子はうなずいた。
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ハルが野草を掴みながら言った。
「(現世に)似せてる……ってわりにはところどころレプリカ失敗してるよな」